先物取引とは、先に商品を売買する契約を交わし、あとから商品を受け渡す取引のことです。コメやトウモロコシの収穫時期はまだ先だけど、このあと自然災害により収穫高が減少する恐れがあるので値上がりする前に購入しておくとか、中東情勢が不安定で戦争勃発により原油の供給量が減少する恐れがあるので、燃料費が高騰する前に買っておくなど、リスクヘッジのような役割を果たす取引です。先物取引で扱う商品のことをコモディティとも言います。 株も先物取引も取引所と呼ばれる公開の市場で取引が行われます。市場では、商品を一か所に集めて、不特定多数の売り手と買い手が公開された場所で取引を行います。売り手と買い手が個別に交渉と契約を交わすのではなく、公開の場で皆が一斉に取引することで、自由競争に基づいた公正な価格であることを担保しています。また契約不履行などのトラブルを防止することもできます。
先物取引や株取引で行われている現物の受け渡しを行わずに数字のうえだけで決済を完結する取引のことを差金決済といいます。たとえば100万円分の「大豆」を購入し2日後に110万円で売却したとします。このとき大豆の移動は行わず10万の買値と売値の差額の支払いのみで決済が完了しています。これが「差金」決済と呼ばれている所以です。
リスク回避のための投資をリスクヘッジと言います。たとえば航空会社が燃料費の高騰に備えて、先物取引で先に燃料を買ってから現物取引をするというケースです。このような備えがあれば燃料費の変動によって会社の利益が増えたり減ったりするリスクを抑えることができ、燃料費高騰分を消費者に転嫁する必要がなくなります。ただし原油や農産物などは投機によって価格が高騰すると、世界経済に悪影響を及ぼすことがあるので、原油や農産物と連動した値動きをする為替や株に投資をするという方法もあります。
株や為替、商品先物は、密接につながっていて、価格も連動して動くことがよくあります。これら三分野をあわせて勉強していると、点と点が線となってつながり、より理解が深まります。
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